ベイビーステップに学ぶ 熟達と仮説検証
少年マンガ「ベイビーステップ」は内発的動機に関わるエピソードの宝庫です。
ベイビーステップを読むだけでホクホクできる私が熟達と仮説検証に関るエピソードについてまとめます!!!
※この記事はベイビーステップのネタバレを含みます
ベイビーステップとは?
週刊少年マガジンで連載中のテニスマンガです。
主人公の丸尾栄一郎は学業優秀で成績がオールA。
運動とは縁遠かった彼がふとしたきっかけでテニスをはじめ
めきめきと上達していきます。
エーちゃんは常に目的を持ち、目的の達成のための理想と現状を把握し、
目標を設定し、その差を埋めるべく練習・実践を積み重ねます。
与えられた状況で結果を出すためには何をすればよいかを考え、
一つ一つの行動すべてを無駄にせず意味のある練習・実践を
積むことでものすごい勢いで成長していきます。
そこには内発的動機、その構成要素である
自律性・目的・熟達の要素が多分に詰まっています。
コントロールの練習
テニスを初めて間もない頃のエピソードです。
主人公のエーちゃんがはじめてコントロールについて教わったときのこと。
エーちゃんは9分割されたコートに打ち分けるようにコーチから指示されます。
7 | 8 | 9 |
---|---|---|
4 | 5 | 6 |
1 | 2 | 3 |
事前に「打つ場所に合わせて打点を変えればいい」というアドバイスだけをもらいます。
まず「5に打って」と言われて、打点を真ん中にして打ちます。
エーちゃんは見事に成功します。
次に「9に打って」と言われます。
エーちゃんは考えます。
「5の打点で打ったら5に行った。では、9を狙うには9の打点かな?」
仮説です。
結果は3に飛びました。
エーちゃんは考えます。
「9で打ったら3にいった。ということは反転している?では3で打ったらどうだろう?」
もう一度9を狙って、今度は3の打点で打ちます。
見事に成功します。
続いて
「7に打って」と言われます。
頭のなかでは、打ち込む先の
7 | 8 | 9 |
---|---|---|
4 | 5 | 6 |
1 | 2 | 3 |
と、それを反転した打点の
1 | 2 | 3 |
---|---|---|
4 | 5 | 6 |
7 | 8 | 9 |
がイメージできています。
7を狙うために1の打点で打ちます。
見事に成功します。
ここでエーちゃんは急いでノートにこの対応関係をまとめます。
そしてコーチに正解であることを確認します。
さらに閃くエーちゃん
「ということは・・・」
一心不乱にノートに 9 x 9 = 81 マスの対応関係を書き込むエーちゃん。
とてもうれしそうに興奮しいています。
- 相手コート
73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 |
55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 |
46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 |
37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 |
28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
- 打点
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 |
46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 |
55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 |
64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 |
73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 |
目をキラキラ輝かせて興奮するエーちゃん。
何が起こっているか?
はじめて遭遇する課題に対して自分なりの仮説を立てます。
- 9の打点で打ったら9に飛ぶだろう
仮説は外れ、3に飛んでしまった。
「9の打点で打つと3に飛ぶ」という新たな情報を加えて次の仮説を立てます
- ということは3に打ったら9に飛ぶだろう
ここで成功します。
成功した概念を元に、別のパターンで成功を確認します。
1に打ったら7へ。
そして学習した概念をノートにまとめます。
さらにここで抽象化することで、コートを何分割してもこの対応関係が同じであることを
想像します。ここで、81箇所に打ち分ける方法を知ったことで興奮します。
仮説を立て、成功したら複数のケースでその仮説を確認する。
仮説を立て、失敗したら次の仮説を立てる。
仮説を抽象化し、可能性を広げる。
これをナチュラルに行っています。
まとめ
文章にすると簡単に見えますが実際の生活を振り返ると
- 失敗しているのに同じことを繰り返す
- 失敗のあと、成功するためにあらたな仮説を作らない
- そもそも失敗を振り返らない
などのようなケースは多くの人にあるでしょう。
エーちゃんは全ての行為のあとに振り返りをしているからこそ、
こういったことを見逃さないのかもしれませんね。