自律性パターンカタログ:課題の自由
自律性とは自分で考え、選択し、行動することです。
自律性の反対は他律性で、他人からの命令・強制によって行動することです。
詳しくは下記の記事を参照ください。
empowerment-engineering.hatenablog.com
ルールと統制よりも、自律と自由。そういった方針の組織作りが増えているように見受けられます。
では自律性を発揮するために必要な条件、環境、スキルなどはどのようなものか?
パターン・ランゲージの形式で知見を集めたいと思います。
フォーマットは以下です。
名称 | 内容 |
---|---|
パターン名 | パターンの名称。 コミュニケーション時に利用するので簡潔であること |
イメージ | パターンのイメージを表す図やイラスト。 画像の力で内容を把握しやすく、記憶しやすくなる |
状況 | どんな状況のときに起こる事象か |
問題 | どんな問題か。 Forces に比べると抽象的な内容 |
要因 | 問題が発生してしまう具体的な要因 |
解決 | どのように解決するか。 Actionsに 比べると抽象的な内容 |
行動 | 問題を解決するための具体的な行動 |
結果 | 解決した結果起こること。 良い影響、悪い影響双方について考える |
イメージについては苦手な方もいると思うので省略可能です。
パターン・ランゲージについて、より詳細については下記の記事をご確認ください
empowerment-engineering.hatenablog.com
この記事ははてなお題として作成しています
最初の例として1記事書いてみます。
パターン名
課題の自由
イメージ
状況
取り組む課題について選択する自由が与えられていない。
仕事なら業務の担当。
子どもなら学習する内容や本当にやりたい習い事。
問題
部下の担当課題を一方的に上司が決めている。
子どもの学習課題や習い事を一方的に親が決めている。
結果として、やりたいこととやるべきことが重なる領域が小さく、
部下や子どもは課題への取り組みに対する意欲が低い。
要因
- 課題を与える側が、課題を自由に選べることが成果に結びつくとは思っていない
- 課題を与える側が、相手のことがわかっていると一方的に考えていて、自分が課題を選択するのがベストだと考えている
- 課題を与える側が、課題を選択させる余力がない
- 課題を与える側が、相手に対して課題を自律してこなせるほどの能力がないと考えている
- 課題を与える側が、ルールと制約を中心に自分が決定・承認したものしか認めない
解決
課題を選択させることのメリットを理解し、
課題選択の自由をできるだけ大きい範囲で与える。
結果として、やりたいこととやるべきことが重なる領域が増える。
行動
- 課題を与える側が、課題の選択が成果につながることを理解する
- モチベーションと能力の発揮に関する理解
- 課題を与える側がコミュニケーションを増やす
- 相手が本当にしたいことを把握する
- 課題を与える側が、余力を増やす。余力を増やせない状況は長期的にリスクを高めているため、結局は余力を増やしたほうがよい
- 課題を与える側が、相手の能力に応じた範囲で裁量を与える
- その環境では自律性を発揮できないので環境を変える
結果
プラスの結果
自らの判断で課題を選択することによってモチベーションが高まり、それによってより質が高い成果を生む。
意思決定のスピードが上がる。
マイナスの結果
自律的なマインドセットをもっていない相手に対して自律性を望んでも、
ルールや手順で縛るよりも成果が下がる。