自律性(Autonomy)の4つのTの一つ、課題(Task)について
内発的動機づけに関する3つの要素「自律性」「熟達」「目的」の一つである、
自律性には4つのT、課題(Task)、時間(Time)、手法(Technique)、 チーム(Team)があります。
今回は課題(Task)についてまとめます。
※内発的動機づけ、自律性それぞれについて知りたい場合は事前に下記リンク先をご確認ください。
empowerment-engineering.hatenablog.com
empowerment-engineering.hatenablog.com
自律性と課題
人が取り組む課題は、本人がやりたいかどうかでモチベーションが大きく変わってきます。
多くの人は、自分が好きな物事に対しては自らすすんで没頭しますし、
自分が好まない物事についてはイヤイヤやるものです。
例えば Atlassian社は Ship it day のように業務時間の20%を割り当てて、
自身がやりたいことに取り組めるようにしています。
取り組む課題の自由を与えることは、結果として内発的動機づけとなり、
没頭して創造的な活動をし、関心がない領域と比べて大きな成果をあげると考えられています。
とはいえ、仕事は仕事。やるべきことがあります。
そのため、 やるべきこと でありつつ やりたいこと 、というのが理想的です。
また、 できること でもある必要があります。
この面積をできるだけ大きくすることが現実的に課題選択の自由を与えつつ、
成果を上げることになりそうです。
具体例
Before
私はある現場に開発を主業務とするプログラマーとして参入していました。
私のやりたかったことはプログラミングです。
その現場で、実績を残すと少しずつ全体をケアしたりシステムに関わる課題を管理する業務が中心になり、
プログラミングそのものにほとんど着手できなくなりました。
やるべきこと・やりたいこと・できること が重なる面積は小さかったことになります。
この時は激務で余力がなかったこともありますが、粛々と業務をこなすことはしていましたが
視点を変えてより良い状況に改善したりすることはわずかでした。
また、仕事そのものがストレスとなり疲れが非常にたまりやすい状態になっていました。
After
Beforeとは別の現場のこと。私はプログラマーとして参入していました。
自分で提案した領域の課題を任され、自分で考え、業務そのものを改善していきます。
やるべきこと・やりたいこと・できること が重なる面積は大きかったことになります。
粛々と与えられた課題をこなしていた、Beforeと比べて、
より生産性の高い方法を考え実施したり、大幅に手間を減らせる代替手段を用いるなど、
ただこなすだけではない成果を出すことができました。
また、複数の仕事を抱えておりトータルではBeforeと同等かやや少ないぐらいの稼働でしたが、
ストレスは少なく、疲れはさほどたまりませんでした。(どちらかというと心地よい疲れ)
何より仕事を楽しむことができました。
参考図書
リンク先の書籍を参考にしています。